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2005年 4月 4日(月)
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 18時00分〜20時30分
第273回研究会
【テーマ】
公共賃貸住宅の今後の課題

【趣旨】
 昨年12月に公共事業をめぐる「三位一体改革」に基づき、公共住宅政策の一定の方向が示されたが、この間、我々公共住宅事業関連業界は2 転3 転する情報に右往左往したことは記憶に新しい。公共住宅事業のあり方については住宅宅地審議会の答申による「市場重視」「ストック重視」の政策基調の中で方向づけられ、特にここ1~2年は長引く不況下で急激な転換が進められている。このことは我々集合住宅の計画設計に係るものにとって極めて大きな関心事であるが、必ずしもその方向が十分展望できない面もある。
 公共住宅政策に係る議論は古くから行われているが、現在に繋がる議論は10 数年ほど前に遡る。当時の議論は公共経済学や公共政策学に依拠し「小さな政府」論を基調とする市場活用・民間活用論、公共投資縮小論と「居住福祉」論を基調とする公共政策必要論等の議論が行われたが、引き続く経済不況の中、「居住福祉」論はやや色あせてすら見える。その結果は現在の「市場重視」「ストック重視」の住宅政策理念につながり、公共賃貸住宅はセーフティーネットを担う政策事業に限定していく方向が示されている。
 しかし、その後の社会経済の変容や地方の主体性が叫ばれるとともに、災害安全や地球環境問題への対応、地域社会に根ざした都市経営、地域居住や地域経営・住宅地経営の社会効率等の外部経済性や社会性等の視点からの公共政策論議も垣間見えるように思える。一方で居住政策の豊かさは国や地域の生活水準の豊かさを代弁する面もあり、公共住宅政策の重要性を論ずる向きもある。このような状況を背景に、今こそ新たに公共性や社会性に立脚した公共住宅のあり方、公共政策・居住政策のあり方を論じていくことが集合住宅の今後を展望するために不可欠であると考える。
 そこで今回は、経済学の分野から住宅政策における公共投資・公共政策のあり方と住居学の分野からまちづくりや地域居住における公共住宅政策のあり方を問題提起していただき、諸外国の公共住宅政策のあり方を参考にしつつ、これらの視点を通して今後の公共賃貸住宅の政策、事業、計画・設計の課題や方向について議論・検討していきたい。

【構成】
1. 趣旨説明
  (株)市浦都市開発建築コンサルタンツ  川崎直宏
2. 基調講演
  上智大学経済学部教授  山崎福寿氏
  福島大学共生システム理工学類教授  鈴木浩氏
3. 討議・意見交換            
4. 総括/閉会

【研究会の議論テーマ】
1.住宅分野における公共政策の必要性
   居住福祉、外部性、社会性、
2.公共住宅事業の意味とわが国の実態
   公営住宅、公団住宅、特定優良賃貸住宅、高齢者向け優良賃貸住宅等
3.諸外国の公共住宅政策の実態
   イギリス、ドイツ、フランス等
4.公共住宅施策か住宅における公共政策か
   直接事業、支援(助成、融資)、ヒトに対する助成等
5.公共賃貸住宅の質、公共住宅団地の質
   性能、アフォーダビリティー、コミュニティー等
6.公共賃貸住宅事業・政策の担い手
   公共主体、共同事業、非営利団体、民間

 

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