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パブリックコメント
「住生活基本計画(全国計画)の変更(案)」に対する意見

「住生活基本計画(全国計画)の変更(案)」に対するパブリックコメント

2016年2月12日 国土交通省住宅局住宅政策課 パブリックコメント担当者宛に提出しました。

●全体構成に関する意見
【意見1】
住生活基本法の理念を明示するため、前計画までの「はじめに」と「第1 住生活の安定の確保及び向上の促進に関する施策についての基本方針」の内容を残すべきである。
【理由】
住生活基本法の基本理念には、以下の4つが謳われている。
1、住生活の基盤である良質な住宅の供給
2、良好な居住環境の形成
3、居住のために住宅を購入するもの等の利益の擁護.増進
4、居住の安定の確保
住生活基本計画は法の基本理念を具体化し、推進していくための計画である。
ここには10年前の多くの議論に基づく住宅政策の位置づけが語られ、「住生活」の安定と豊かな「住生活」が謳われ、住宅政策は社会的性格を有する生活の基盤で社会生活や地域コミュニティ活動を支える拠点として位置づけられた。この10年間にこの理念が必ずしも浸透しているように見えず、その理念や位置づけは本計画でも踏襲すべきであり、継続して語るべきである。
 また、現計画はその方向とやや異にした地区の活性化と住宅産業活性化に重きが置かれている様に見える。基本法の趣旨を踏襲するならば前計画までの「はじめに」と「第1」の内容を明確に残すべきである。

【意見2】
人口減少時代に向けて、この計画が目指す将来の居住ビジョンを明示すべきである。その居住像・住宅産業ビジョンの目標像に関し、国民のコンセンサスを得る事が何よりも重要である。
【理由】
間近に訪れている人口減少時代では、新築住宅着工戸数の減少と空き家の急増状況が今後の住宅政策の最重要課題である。これは地方創生と共に歩を進め、地域の経済構造の再構築と、産業・社会構成を含むドラスティックな変革が必要であり、この方向性に関し国民・行政・産業界が今後の居住ビジョンを共有しつつ取り組むべきである。こうした時代の住宅政策は未来を共有しつつバックキャスティングによって展開する取り組みが重要で、大きく変容しつつある社会・経済を見据えて、住宅や居住を取り巻く未来像を描きつつこれからの住宅政策を考えることが重要である。その対応の方向付けとなる居住像・住宅産業ビジョンの国民的議論が必要である。

【意見3】
国民の豊かな住生活の実現には居住を支えるソフト面の充実が求められる。これらに対応するためには他分野の各種施策との一体的展開や連携による総合的展開が重要である。このことを明快に記述すべきである。(全計画には記述あり)
【理由】
豊かな住生活の実現には住宅性能等のハード面だけでなく、伝統・文化を踏まえた「心の豊かさ」を含めた居住を支えるソフト面の充実が一層求められる。都市計画やまちづくり分野との連携はもとより、東日本大震災の経験を踏まえた防災分野、医療介護サービスや福祉サービス等の福祉分野、住宅困窮の背景となる雇用分野、地域活力を育てる地域産業分野、低炭素社会を目指す環境・エネルギー分野、地域の伝統・文化を活かす文化・教育分野等の国民生活に関わる施策分野との密接な連携が欠かせない。こうした視点から各官庁、行政領域の連携とその体制の構築の必要性を強く求める記述をすべきである。

●箇所別意見
■該当箇所
第1 住生活をめぐる状況と今後10年間の課題、それらに対応するための
施策の基本的な方針
【意見4】
この章を、大きく2節に分割する。
1.住生活をめぐる最近10年間の状況
(前基本計画の4目標に沿って、10年間の変化を総括する)
2.今後10年間の課題、それらに対応するための施策の基本的な方針
(現案、第1の内容)
【理由】
政策(計画)の継続性を示すためにも、前計画の総括が必要。数値目標の達成率といった細かい評価ではなく、2006年、2011年での考え方と現状を論じるべきである。

■該当箇所
第2 目標と基本的な施策 【居住者からの視点】
【意見5】
次の目標を追加する
目標○ 自然災害・事故災害被災者の住宅再建の促進
被災者の仮住まいが長期化する実態を踏まえ、仮設住宅の質を抜本的に改善し、住宅政策として取り扱うべきである。災害対応時には仮設住宅を含めて被災者に添った住宅再建策を講じると共に、災害公的住宅を提供する場合は一般の公営住宅とは異なった基準・運営を図る。
【理由】
東日本では被災後5年経っても再建の目処が立たない被災者が多い。また阪神では20年経過した時点で居住の安定が脅かされている。この基本計画が社会的に評価されるためには、被災者の住まいのあり方を住生活基本計画にも取り上げることが不可欠である。
被災後、大量・迅速に居住の復興を図るための事前復興や緊急時の住宅供給の住宅産業界との協定、災害公営住宅供給における公共事業主体の役割、一元的住宅供給、一元管理、基準等の柔軟な運用・管理など災害時に備えた住宅再建のしくみを構築していくことが重要である。

■該当箇所
第2 目標と基本的な施策  目標1〜8
【意見6】
多くの成果指標が業界の住宅投資や公共事業主体の事業・整備目標となるアウトプット指標になっているように見える。居住者の住生活に視座を据えたアウトカム目標にどう転化できるかが不透明である。アウトカム目標に仕立て直す必要があるように思う。
【理由】
住生活基本法は「住生活」すなわち居住者に視座を置いた豊かな住生活の実現を目指したものであり、居住者の住生活に視座を据えたアウトカム目標の設定とその評価システムが住生活基本計画の大きな特徴である。本計画のいくらかの成果指標は事業量や投資量の目標を示すものとなっており、その結果の住生活の豊かさに資する筋道が不透明なものも散見される。成果指標の位置づけや効果の不透明さや測定・評価方法の未成熟な状況があるものの、アウトカム目標を追求する姿勢は貫くべきである。

■該当箇所
第2 目標1 結婚・出産を希望する若年世帯・子育て世帯が安心して暮らせる住生活の実現
【意見7】
日本の住まいの内容とその取得方法、そこでの暮らし・居住形態は近年著しく変貌し、幅を拡げている(いわゆる旧来の「住宅すごろく」も大きく変貌を遂げた)。希望する住宅を選択・確保出来る環境を整備ことが重要である。また子作り、子育ての問題は、単に住宅確保や住まいそのものの課題を超え、就労や所得水準、地域社会との関係性などの環境要素とセットの課題となっている。単線的な住宅取得、同居・近居の促進策では、解決しえないと思われる。
【理由】
近年、若い世代の間では、さまざまなヒトがモノ・コトをシェアし合う生き方、価値観への転換が進んでいる。これにより「居住」や「暮らし」、「しごと」そのものが変容しつつあり、子作り・子育ての問題は、低廉な住まいの取得手法+同居・近居等の単線的対応に加え、「就労」×「居住」の新たな関係構築や、子育てのシェア手法の拡充、多世帯同居+共助の暮らし(子育て同居)の推進等、複線的取り組みの付加が不可欠となる。

■該当箇所
第2 目標2 高齢者が自立して暮らす事ができる住生活の実現
【意見8】
早急に安全に安心して生涯を送ることができるための住宅の改善を促進することが必要である。逆にこの点にメスを入れられると、既存住宅における安全な在宅介護の居住が、比較的安価に実現できる事となる。
【理由】
「バリアフリー化の推進に加え…」と、それがかなり進展しているかのような記述となっているが、手摺り設置等を除けば、既存住宅における住まいのバリアフリー化改修は全く進んでいない。介護保険のバリアフリー改修助成制度等を用いた既存住宅の改修が進まぬ事には、在宅介護が原則の時代にあって、高齢者の自立的生活はおぼつかない。高齢者の居住する既存住宅のバリアフリー改修が進まない理由は以下の3点。
 々盞佛マンションに居住する高齢世帯など、リフォームに関する関心・知識に乏しく、例えば助成金を活用しながら浴室を低床型に改修できる事など、思いもよらない状況にある。
◆,修譴蕕僚成事業を企画・運用するケアマネージャー、役所の福祉担当者も、建築に関する知識に乏しく、制度誤認も含めそれらを指導・誘導できない状況にある。
 具体の設計や工事を担う設計事務所、リフォーム工事店においても、助成制度の存在や活用内容、その申請方法などの知識を持っていない。
つまり居住者、行政、実務者の3者が揃って、全くバリアフリー化改修を知り得ていない状況にある事が、最大の問題である。「新たな高齢者向け住宅のガイドライン」を策定する以前に、安全・安心な在宅居住推進のための、当たり前の知識を誤解無く伝えられるような情報伝達、PR、担い手育成等々の手段を講ずることが必要である。

■該当箇所
第2 目標2 高齢者が自立して暮らすことが出来る住生活の実現
【意見9】
介護・医療サービスについては、「居住環境の実現」だけでは十分とはいえず、高齢者の自立を支える介護・医療サービス行為の容易性が重要である。「基本的な施策」において「住生活の安心を支える介護・医療・福祉等多様なサービスが受けやすい住宅の整備」についても言及すべきである。
【理由】
団塊世代の後期高齢者への移行に伴い、病院での入院治療、施設による介護サービスを受けられない多くの高齢者が、「地域包括ケア」により在宅のままこれらのサービスを受ける時代となる。これらサービス(介護福祉行為、医療行為)が行われる場としての住宅はこれらさまざまな医療・介護サービス行為を受け容れ易い性能水準が必要となると考える。既存ストックを中心に住宅改善施策を早急に進めることが必要となる。

■該当箇所
第2 目標3 住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定の確保
【意見10】
住宅セーフティネット法に位置づけられる「住宅確保要配慮者」について、個々の要配慮対象者が陥る「居住の貧困」への対応方策がイメージできない。(基本的な施策)では、高齢者の在宅対策、非正規雇用の若中年単身者対策、子育て世帯対策、大規模災害の被災者対策、母子家庭やDV被害者対策、障がい者対策など、施策対象者をイメージした方策の方向性を、より丁寧に示すべきである。
また、(成果指標)には、居住の安定の確保に関する指標が必要である。例えば中心施策である公営住宅の応募倍率を5年間で5.0倍に低減する(H24年度全国平均7.5倍)、あるいは待機者実数の削減等の目安が必要ではないか。
【理由】
低成長経済を背景に、低所得ゆえに居住の貧困に陥る世帯の幅が拡がっているだけでなく、施設介護を受けられない高齢者、DV被害者や大規模災害の被災者など、適切な住まいの提供が必要な世帯は非常に多岐に亘る。これら「住宅確保要配慮者」が陥っているさまざまな「居住の貧困」をつぶさに捉え、各々に対し適切かつ効果的な処方箋を示す事が、住生活基本計画に求められる意義と考える。
セーフティネット施策の中核である公営住宅は、年間10万戸の空き家募集に対し平均応募倍率7.5倍、即ち約65万世帯の待機者を生んでいる。直接供給策だけでなく、借上・買取公営、第2のセーフティネット(生活保護策)との連携、他の公共住宅や民間の活用等の公的支援策も含めた総合的居住の安定策を講ずる必要がある。これらの施策の充実は公営住宅への募集の集中を緩和することとなり、その総合指標として公営住宅の応募倍率を指標とすることが考えられる。

■該当箇所
第2 目標3 住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定の確保
【意見11】
住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定の確保に向けた対応として、生活保護等の福祉行政と連携した調整と総合的対応を強く打ち出すべきである。成果指標についても生活保護対策と公共住宅対策の総合化したセーフティネット対応の成果指標を構築すべきである。
【理由】
超高齢社会を迎えて高齢単身貧困層に加え、近年の貧困率の増大、生活保護世帯の増加等の状況を鑑みれば、住宅困窮対策は今まで以上に大きな政策課題となっている。こうした状況に対応するためには住宅政策を超えた対応も求められ、福祉行政等の他行政との連携や住宅政策と福祉政策・雇用政策等との一体的体系の中での取り組みが必要である。特に、生活保護対策と公共住宅対策についてはセーフティネット対応を総合化して測定・評価できる成果指標を構築すべきである。

■該当箇所
第2 目標3 住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定の確保
【意見12】
住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定の確保に向けた対応として、低所得若中年単身世帯に向けたセーフティネット対応策を講じるべきである。
【理由】
近年の日本の貧困率の増加は大きな社会問題となっており、先進国の中でも極めて高い数値を示している。その対象となる若中年単身世帯については、2012年の公営住宅法の改正によって同居親族要件が撤廃され、公営住宅への入居が可能となったものの、ほとんどの公共団体では住宅困窮層に対する公営住宅の不足や公営住宅での対応抑制から同居親族要件を継続し(条例によって)、低所得の若中年単身世帯の入居を認めていない。横浜市のデータによると低所得の中年単身層(30歳〜60歳)は低所得高齢単身層(60歳以上)の約2.5倍の数存在する。低所得の中年単身層は非正規雇用等の状況の者も多く、多くが老後の年金受給も期待できない状況で、そのまま低所得高齢単身層になっていくことが危惧される。こうした問題意識を早急に共有化し、公営住宅の活用にとどまらず、民間賃貸事業者等との協力や支援を含めた低所得若中年単身世帯に向けたセーフティネット対応策を検討すべきである。

■該当箇所
第2 目標4 住宅すごろくを超える新たな住宅循環システムの構築
【意見13】
住宅循環システムの構築は、適正な住宅市場環境の構築によって実現されるものであり、そのポイントは資産価値の適正化とともに、国民一般が住宅取得を無理なく適正に行われるためのアフォーダブルな住宅市場供給が行われることである。このための、社会的な住宅の市場形成の取り組みが重要である。
【理由】
人口減少時代における「住宅すごろくを超える新たな住宅循環システム」の意味するところは、地域社会の中での居住循環が可能な地域市場の形成である。基本的施策として挙げられているものは良質な住宅が資産性を維持しつつ流通する市場環境の整備に力点が置かれている。しかし、国民の居住の安定に視座を据えれば、多様な住宅が種々の条件に適合して供給されることも重要であり、近年の市場で不足しているアフォーダブルな賃貸住宅市場の形成こそが一層重要であり、こうした賃貸住宅政策が必要である。

■該当箇所
第2 目標5 建替えやリフォームによる安全で質の高い住宅ストックへの更新
【意見14】
(基本的施策)の(7)にい箸靴瞳築の長期修繕計画等の重要性を一般の居住者に周知するセミナーの開催等による、住宅ストックの延命効果の周知を加えるべきである。
【理由】
建築の長期修繕計画等が立案された場合の住宅ストックの延命効果について、もっと一般の居住者に周知すべきである。今後の国民の貴重な資産としての住宅ストックを大切に、優良に育てていくためには、一般居住者の確かな認識の育成が不可欠である。

■該当箇所
第2 目標5 建替えやリフォームによる安全で質の高い住宅ストックへの更新
【意見15】
(基本的施策)の(4)に建築規制の緩和、補助制度の充実等を加えるべきである。
【理由】
密集市街地、特に木造密集市街地は大規模地震等の災害が起これば、甚大な被害が予想されている。年金のみに頼って生活している高齢者が多く居住しており、自力での建て替え、リフォーム等は不可能である。行政による個別相談等も含めた住民に寄り添った支援がなければ、問題解決はとても望めない。

■該当箇所
第2 目標6 急増する空き家の活用・除去の推進
【意見16】
今後急増が予想される空き家の課題は未利用・その他空き家とともに、賃貸空き家の適正な利活用である。賃貸オーナーや賃貸管理業界と連携した賃貸市場の活性化に向けた体制や支援制度等の構築を促進すべきである。
【理由】
新築80〜100万戸/年に対し820万戸の空き家が存在しているが、都市部の空き家、地方都市の空き家、郡部の空き家など大きく空き家の性格も異なる。「空家法」に基づき、特定空き家への対応は進みつつあるものの、今後大量に発生が見込まれるのは大都市周辺の賃貸空き家の問題である。
賃貸空き家の増加、高止まりの原因は
 ゞ江住宅の多さによる需要とのミスマッチ、需要の停滞
◆―斬陬蹇璽鷆睛の低下による持家需要への移行
 高経年住宅への改修投資の抑制(高齢オーナーの改修投資の難しさ、短期償却済みでの投資意欲の減退等)
ぁ〜蠡垣蚤从案件等に見る住宅管理業務意欲の低さ
ァ/卦需要を受け止めるエリアと空き家の発生エリアの地域的ミスマッチ
で、需要に見合う質向上や家賃設定、セーフティネット需要への対応、改修・管理意欲の高揚等これらを総合的に取り組むための行政・業界対応が重要。

■該当箇所
第2 目標7 強い経済の実現に貢献する住宅関連産業の成長
【意見17】
目標7の「強い経済の実現」を「健全な経済の実現」に変更し(又は、読み替えて)、地球全体や地方経済にも十分に配慮しつつ、地域経済の循環の実現と低炭素社会に向けた住宅産業や住まい・住まい方についての政策展開を強く打ち出すべきである。(前計画では低炭素社会に向けた主要施策として記述あり)
【理由】
1997年の地球温暖化防止京都会議(COP3)以降、地球温暖化対応としての省エネルギー対策は建築・住宅において最重要テーマのひとつとなっている。また、東日本大震災後、従来からのエネルギーの使用の合理化の強化、電力需給バランスを意識したエネルギー管理が重要とされ、エネルギー消費量が特に大きく増加している業務・家庭部門において、住宅・建築物や設備機器の省エネ性能の向上といった対策を強化している。2013年には省エネ法が改正され、2015年 には気候変動枠組条約第21回締約国会議・パリ会議(COP21)によって全世界的な取り組みの体制が整備された。このことは全世界のバランスある経済発展を目指したものと解すべきであろう。こうした世界的な潮流は強い経済だけでなく他国や地域経済の循環の実現にも配慮したバランスある健全な経済発展である。パリ会議にも示されたわが国の役割りの大きさに比して、本計画の取り扱いが極めて乏しい。主旨を明示して、低炭素社会に向けた住宅産業や住まい・住まい方についての政策展開をもっと強く打ち出すべきである。

■該当箇所
第2 目標8 住宅地の魅力の維持・向上
【意見18】
「基本的な施策」において、健全で持続可能なコミュニティを「豊かな住生活を実現するための条件」に継続して明記するとともに、大規模な公営住宅団地などについては、居住階層に著しい偏りのあるコミュニティの改善方策としての団地マネジメントやソーシャル・ミックス等について、記述を強化すべきである。
【理由】
人口減少、少子高齢化、空き家の増加等による地域コミュニティの衰退は大きな社会問題である。特に、東日本大震災の経験は国民に地域コミュニティの重要性と豊かな住生活の実現に不可欠な条件としての認識を深めてきた。すなわち、こうした魅力ある住宅地は、住生活の基盤としての居住空間や居住を支えるサービス、コミュニティの醸成などの条件整備とこれらを維持・向上する仕組みが不可欠である。このため、行政、特に地方公共団体と関連部局や住宅事業者、居住者の十分な理解のもと、相互に連携し協働していくコミュニティ醸成のプロセスやマネジメントのあり方を関係各者に丁寧に示す必要がある。

■該当箇所
第3 大都市圏における住宅の供給等及び住宅地の供給の促進
【意見19】
地方都市圏・地方部についても大都市圏と同様に地方都市圏・地方部の住宅供給の考え方や国の方針を明示すべきである。
【理由】
国全体の人口、世帯減少による影響は、発達した鉄道網など公共交通機関に支えられた大都市圏に比べ、自家用車利用を前提とした地方都市圏の郊外においてより深刻である。加えて次世代の流出も生じている地方都市圏・地方部における今後の住宅供給、住宅地供給の考え方を示すことは重要不可欠である。
人口減少社会の居住ビジョンの提示と共に、まちなか居住の推進に関連して、国の方針と地方公共団体がこれに適切に取り組むための指針を示す必要がある。

■該当箇所
第4 施策の総合的かつ計画的な推進
【意見20】
都道府県計画、市町村計画の意味と方向付けを明示しつつ、国・都道府県・市町村の役割を明確にし、適正に調整、指導・誘導すべきである。
【理由】
「豊かな住生活」は地域性や地域の伝統文化を踏まえ、地方の民意を活かしつつ実現していくものであり、国と地方は互いの役割を踏まえて両者がコラボレイトしつつ取組むことが重要である。住生活基本計画(全国計画)は今後の住生活政策体系の主役となる地方公共団体の取り組みの方向性を明示し、地方の自主的な取組みを啓発し、着実な政策実施につなげるべく指導・誘導することが重要である。

■該当箇所
第4 施策の総合的かつ計画的な推進
【意見21】
地方公共団体の取り組み指針としてより意味がある重要な施策を充実すべく、その施策に対応した成果指標を大胆に打ち出すべきである。必要であれば新たな統計調査を起こすなど、成果指標に必要な統計データや評価システムは別途重点的に検討すべきである。(前計画では「住宅統計の充実」の記述があり)前計画の記述を復活させるべきある
【理由】
前計画では「住宅統計の充実」の記述があったものが削除されている。前計画に記載されている「目標の達成度を示す指標については、統計調査により得られるデータに限界があること等の課題があるため、指標の充実が図られるよう、引き続き必要なデータの充実等を進める。また、行政が市場の歪みや課題の発生を観測し、要因の分析や対応策の検討に資するものとして必要となる事項や、国民の住生活に関する意識・意向の状況についても施策選択の参考とすべきであるため、その把握に努める。」ことはきわめて重要である。さらに、地域毎の豊かな住生活を実現する重要不可欠な施策を最大限講じることが必要であり、その検証のために必要であれば新たな統計調査を起こすことが筋である。この10年間の経験を踏まえた統計調査の見直し、効果分析手法や評価システムの再構築を行なうべきである。

■該当箇所
第4 施策の総合的かつ計画的な推進
【意見22】
最低居住水準未満世帯の解消と最低居住未満住宅の解消の方針を明示すべきである。特に、国民の住生活を全般的に向上させる観点から、市場における最低居住水準の意味を明示し市場の評価に連動する仕組みを検討すべきである。
【理由】
最低居住水準世帯は依然4%強存在し、近年は解消が進んでいない。早急にこれらの倒壊危険、狭小、老朽建築物の建替えや除却を含めて、最低居住水準未満世帯の解消を図る取り組みを進め、市場における最低居住未満住宅の解消の具体的な方針を明示すべきである。一方、近年の貧困ビジネスに見られるシェアハウス等については最低居住水準が住宅水準の向上の足枷になっている面もあり、共用部分を含めた最低居住水準の意味を明示し、国民の住生活を全般的に向上させる観点から、最低居住水準を段階的に引き上げることも検討すべきである。

■該当箇所
第4 別紙5 公営住宅の供給の目標量の設定の考え方
【意見23】
公共住宅については、まず国民の貴重な資産である公営住宅、UR賃貸住宅、公社賃貸住宅等の果たすべき役割や保有目標量とストック活用計画について明記すべきである。特にUR賃貸住宅の役割とこれに基づくストックの再編・活用について、その方向を明確にすべきである。目標量の設定の考え方はこれを踏まえて設定することが重要である。
【理由】
公営住宅の外、国と地方公共団体の実施機関としての都市再生機構、公庫等の公的セクターの役割は大きく変容してきたが、この10年間の市場政策の停滞をみると市場のけん引役としての役割を再評価すべきである。特に、東日本大震災における都市再生機構の果たした役割は大きく、今後の非常時や市場供給を補完する上で、公営住宅以外の公的賃貸住宅は少子高齢社会の貴重な政策ツールとして効率的に活用すべきツールである。こうした今後の役割や方向性について公共賃貸住宅のアフォーダブル性に鑑みて、国民の多様な居住ニーズ実現の一翼を担う住宅ストックとして整備・活用することを明記すべきである。公営住宅の供給の目標量の設定の考え方は公的賃貸住宅全体の目標量を明示し、これを踏まえて設定することが重要である。

■該当箇所
第4 別紙5 公営住宅の供給の目標量の設定の考え方
【意見24】
市場重視の住宅政策はセーフティネットについても市場の活用が重要であり、公共住宅と公共住宅以外の市場の活用や公的支援の住宅を含めたセーフティネットの必要量を設定して計画的に取り組むことが重要である。
【理由】
セーフティネットは公共住宅だけが担うものではなく、市場の活用が重要である。特に、セーフティネットは重層的に考えるべきで、真に困窮する層に対しては公共住宅が中心に担い、市場の是正や補完に向けては市場を活用した地優賃や業界と連携した社会的取り組みの支援など多面的・重層的なセーフティネットの構築を図るべきである。こうした全体的な枠組みを明示し、セーフティネットの必要量とその対応方向を明確にしつつ、地域的にそこに位置づけられた公共住宅の目標を設定すべきである。

              以 上

2016-2-12 (116 ヒット)


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