◆第310回研究会のお知らせ
下記のとおり第310回研究会を開催いたします。
年末の多忙な時期ですが、東日本大震災の仮設住宅における試みについて、建築計画の大月敏雄先生からお話をお聞きできる貴重な機会ですので、奮ってご参加いただくようご案内いたします。
なお、終了後、先生もご参加いただいて懇親を兼ねた忘年会を行いますので、あわせてご参加ください。
1 演題 「震災復興初期における仮設住宅で見えてきたもの」
2 講師 東京大学大学院准教授 大月敏雄先生
3 日時等
12月8日(木) 講演 17:00〜18:30 於 健保プラザ3階集会室集会室
忘年会 19:00〜21:00 於 健保プラザ2階レストランPal
趣旨等
3.11から9ヶ月。被災者の生活の場は、避難所から応急仮設住宅へと移り、メディアでは本格的な冬を前に暖房機や断熱性能の話題が多く取り上げられているが、現場では何が起きているのか?
被災後1ヶ月になる4月、「阪神淡路大震災では、仮設住宅での高齢者の孤独死や災害弱者と呼ばれる方々の存在が浮き彫りになり、その後の中越沖地震など災害のたびに研究、改善されてきたと認識していたが、東日本大震災特有の事情があるにせよ、テレビの向こう側の仮設住宅はこれまでの震災から学んだことが生かされていない」と、大月先生らはそんな思いを抱き、「コミュニティケア型仮設住宅」の提案をまとめ、岩手県三陸海岸沿岸へと向かった。提案をうけた平田第5(釜石市)、穀町(遠野市)2つの仮設住宅団地では、現在も「仮設期から復興期までを見据えた連続するコミュニティを支える空間基盤−すまいづくり、まちづくり」の取り組みが行われている。
戦後復興から今日の住環境づくりへ、建築計画の功績はきわめて大きいことは誰もが認めるところだが、研究者の間ではここ数年、既に「役目を終えた学問」という声も聞かれる。たしかに、そこそこの豊かさを背景に、市場を埋め尽くしている集合住宅に「新しい光」を感じるものは少ない。大月先生は、草創期の公営住宅や同潤会などの長期経過集合住宅から居住地再編などの地域計画までをフィールドに、時に「建築計画史学」にまで及ぶ気鋭の研究者として、その「建築計画」に向き合っている。近年では、東京大学高齢者総合研究機構(IOG)の一員としてUR豊四季台団地における高齢者が住み続けるための住まいづくり・まちづくりの研究活動を行っていた。そんな先生が、被災者への暖かいまなざしとともに、仮設住宅における試みの中で集合住宅計画の再検証につながる手がかりを見つけつつあるという。
本研究会では、「これまでの団地(集合住宅)計画を検証し、これからの居住地再生を展望する」をテーマとして掲げているが、進行中である仮設住宅での試みについて伺い、議論する場としたい。
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