■趣旨
近年のまちづくりの傾向をみると、少子高齢化による人口減少が進み定住人口増加が見込めない中、交流人口を増やし地域の活性化を取り戻すことに期待が高まっている。交流人口を拡大させるためには、観光客や地域への滞在者を増やす必要があり、観光まちづくりの観点を外して考えることは難しいが、まちづくりと居住・住宅問題と観光の関係性を考えていくことが大きな課題となっている。
そのような状況のなか、訪日外国人観光客数の増加による宿泊施設不足の解消、多様な宿泊ニーズへの対応のため、住宅を活用した民泊が徐々に浸透してきた。一方、近年の住宅問題である増加する空き家の有効活用に期待がかかる状況もある。
昨今いわゆる違法民泊が横行しトラブルが多く発生したことから、健全な民泊サービスの普及を図るため、平成29年6月に住宅宿泊事業法(平成29年法律第65号)が成立し、平成30年6月15日に施行された。しかし、民泊新法施行前時点で全国約6万件あった民泊施設の登録件数は、数千件にとどまっており、潮流に乗っているとは言い難い状況である。
それらの状況をどう理解し、展望させていくのか。既存のまち、既存のストック建築を持続していく為に、まちづくりのなかで観光がどのような役割を果たし、地域のコミュニティ活性化に向き合っていくのか。観光および民泊による空き家活用に詳しい講師を招いて、今後のまちづくりのあり方について考える機会としたい。
■開催場所・日時
〇平成30年9月28日(金) 18:00〜20:30
〇場所会場:H貸会議室 茅場町駅前ROOM A
住所:東京都中央区日本橋兜町13-1 兜町偕成ビル別館 3階
■スケジュール
〇趣旨説明 18:00〜18:05(5分)
〇講演1 18:05〜18:50(45分)
毛谷村 英治氏(立教大学 観光学部 教授)
テーマ:・観光からみたまちづくりへの期待と課題
・観光需要増加の背景と今後の予測(観光需要は一過性のものか?)
・観光まちづくりの展開と住宅問題の接点と民泊
〇講演2 18:55〜19:40(45分)
赤崎 盛久氏(あきや活用まちづくりセンター)
演題 : 京都における空き家活用と民泊
テーマ:・民泊による空き家活用と歴史的資産の継承
・コミュニティと民泊の課題と対策
・民泊による空き家活用とその法適合について
〜休憩(10分程度)〜
〇意見交換 (20分)
コメンテーター 益尾 孝祐
〇質疑・応答 (20分)
終了 20:30予定
- 第376回研究会『海外における脱炭素社会に向けた木造建築物について』 (2024-3-15)
- 第375回研究会『これからの都市の中の木造建築物と集合住宅』 (2023-12-11)
- 第374回研究会『研修旅行 時間を掛けてつくられた地方都市の建築・ランドスケープを巡る 山形県』 (2023-11-10)
- 第373回研究会『空き家、古い団地を活用し、まち・エリアのサスティナビリティを高める』 (2023-10-18)
- 第372回研究会『脱成長都市における「インナーコミュニティ問題」について学ぶ』 (2023-8-02)
- 第371回研究会『省エネ・環境に配慮したこれからのハウジングの有り様を考える』 (2023-5-31)
- 第370回研究会「カーボンニュートラル時代に集合住宅はどう変わるのか」 (2023-2-28)
- 第369回研究会「⽣活環境をデザインする」 (2022-12-07)
- 第368回研究会「研修旅行 香川県」 (2022-11-11)
- 第367回研究会「若手座談会 − わたしたちが描く、幸せな暮らし方」 (2022-9-08)